『時代の転換点を読む 2009年6月4日号』 |
UPDATE 2009.06.05 |
原文:Institutional Advisors Bob Hoye
翻訳:増田 悦佐
時代を象徴するコメント:
去年の今ごろ:
何十年も前みたいな気がするが、去年の今ごろ流行していたのは「原油の枯渇(Peak Oil)」に関するリサーチだった。
「原油市場が暴落するなんてことは、ほとんどありえない話だ」
——2008年6月3日付ブルームバーグ
「原油の枯渇をタネにしてどう儲けるか?」
——2008年6月5日のダグ・ケーシーのコメント
原油につれて、鉄鋼価格も猛烈に動いていた。アメリカの鋼板価格は2008年5月単月で20%も上昇し、1月からの通算では76%の大暴騰となっていた。
「OPECができることは、もう何もかもやってみた。それでも原油価格は下がらないのだ」
——2008年6月24日のOPEC総裁チャキー・ケーリルのコメント
6月22日、アメリカのエコノミスト兼コンサルタント、ジョン・ウィリアムズが主宰するブログサイト『シャドー・ガバメント・スタティスティックス(アメリカの官公庁統計の裏の意味を探るサイト)』は、ほとんど同義反復で意味のない、次のようなコメントを載せていた。「リセッションがなければ、工業生産が前年比で落ちこむことはない」全米経済研究所(NBER)が、リセッションは2007年12月に始まっていたと認めたのは、やっと2008年12月になってからのことだった。