増田悦佐さんより〜「ケインズ」政策の非ケインズ的基礎について |
UPDATE 2009.04.10 |
政府・与党は「財政規模で56兆円超、財政支出ベースで15兆円」という過去最大級の経済対策を打ち出す方針を固めたようだ。これでまた、おなじみの議論が蒸し返されることになりそうだ。「一体、ケインズ的な財政刺激による景気回復策は有効なのだろうか?」「たとえ有効だとしても、そのために増える国や自治体の負債の量に見合うだけの効果があるのだろうか?」「景気が悪くなるたびに財政の大盤振る舞いが行われるという期待を人々に持たせてしまうと、普段からまじめに働く意欲をそいでしまうことになり、長期的には有害なのではないだろうか?」といった議論だ。
経済学者でもない一般大衆は、この手の論争をどういう眼で眺めているのだろうか? まず、ハイエクやフリードマンの流れを汲むと称するリバタリアンの議論については、あまりにも冷たすぎてなじめないと言う人が多いだろう。たしかに「困ったら必ず政府が助けてくれるなんて観念を植え付けたら、本来は一生懸命働く人まで怠け者になってしまう。だから、どんなに景気が悪くなり、失業者が街にあふれかえる世の中になっても、政府は緊急対策など行うべきではない」という発想は、あまりにも冷酷な感じがする。