金融市場…自信過剰から幻滅への道筋 |
UPDATE 2014.06.26 |
この道筋には不変のパターンがある。1720年の南海泡沫事件、1825年英国銀行のロスチャイルド家からの救済。1873年の資産バブルでは中央銀行がないから何も悪いことは起きないはずだった。金本位制ではないシステムで、資金供給は金に縛られなく無限だったはず。そして、2010年のPIGS問題。今週30日にはアルゼンチン問題が来る。
アルゼンチンのデフォルトは友人のスチーブが鍵を握るが、フェルナンデス大統領はスチーブ達を毛嫌いしている。短期間に1600%の収益を得るヘッジファンドを泥棒呼ばわり。泥棒でもこれだけの収益を短期間に得られない。多分10億円未満で買ったアルゼンチン債を13億ドル、1300億円で買い戻してもうらのがスチーブ、このヘッジファンドの仕事だろう。
6月30日にアルゼンチンは結論を出す。デフォルトでも市場は揺るがないと、このニュースの中でも新興国国債市場は熱い。2008年にデフォルトしたエクアドルが7.95%の10年債を出し、キプロスが4.85%の5年債を出している。6月中旬だけで30億ドルのこの種の債券が出ている。市場はまさに大バブルの様相。デフォルト? 連鎖しないよ。
JNK(ジャンクボンドETF)は週次のRSIが80と昨年5月の77を越えた。その時、バブルは弾け、金利は5%から6%に急上昇。価格は10ポイント程下落した。2011年、2013年のジャンク債市場の熱狂時を越える時間帯も過ぎている。だからもうこの市場の崩壊は早い。スペイン債は6月9日2.56%に下落し、2.75%に上昇した。この金利の動きは欧州国債市場の完全なる崩壊を予知させる。
史上最大の低格付け債バブル、そして新興国国債バブルも天井に近いところに来た。ナスダックは2000年3月の大天井時を越えるRSI、そしてセンチメントを示すII指標もまた62.2の史上最大の熱狂を示している。デフォルトする可能性を知りながら他の債券を買い漁る行為は、もはや酔人の域であろうか、冷静を欠くのを投機という。
アルゼンチンのその可能性を知りながら30億ドルの債券が飛ぶように売れる史上最大のバブル。金融市場の自信過剰から幻滅への道には必ずこのパターンを見ることができる。株に債券に、そして資産インフレに染まる世界と、その投機に溺れる投資家。繁栄の幻想とは金融ブームの間だけの「幻」を知らないのだろう。米国ではS&P株価指標採用銘柄の400社が自社株買いに走る。自分達で上げる株価演出。それはやがて、買い手が消えることを意味する。怖いね。
さて、1825年以降の誰も何も学ばなかった、この論文の高貴にして、意味深な内容はこれから始まる、大バブル崩壊とその連鎖、そして国破れて債務ありを読ませる。論文は後日掲載。そう、是非ボブの「時代の転換点を読む」を精読されたい。やがて操作が終わる市場では、ボブの分析が光り始めるだろう。明日は不透明ではない、歴史の繰り返し、その洞察をテクニカルに理解できれば見えるものだ。群衆の自信過剰は幻滅の道、繁栄とは夢の瞬間。
おもしろき時代に生きたものだ。