増田悦佐さんより〜「アメリカの罪と罰」シリーズその4
|
|
UPDATE 2015.06.13
|
利権共同体に入れなかった小売・飲食店業界の惨状
前回は、現代アメリカで従業員にとって働きやすい会社とは、ハイテクのニッチでガリバー型寡占の地位を築いた企業か、ロビイストを通じてたっぷり政治家にカネをばら撒いて利権共同体の一角に食いこんだ企業だけだと説明した。どちらのグループにも入れなかった企業群がどんなにわびしい存在となっているのかを実証しているのが、アメリカ小売業界全体の凋落ぶりだ。つい5〜6年前までは、ウォルマート1社が世界中の総合スーパー市場を席巻してしまうのではないかと真剣に憂慮していた人が多かったとは思えないほどの惨状を呈している。