増田悦佐さんより 〜ペテン師国家にだまされるな シリーズその2 |
UPDATE 2009.09.18 |
金融機関のしごとは高給取りにしかできないものか?
さて本題の金融機関の話だ。「大手企業のCEO一般については、しごとの中身に比べてべら棒に高い報酬を取りすぎているとしても、金融機関はロケット工学や微分方程式が分からないと理解できないような高度な知的能力を必要とするしごとをしているのだから、高給取りがぞろぞろいるのもしかたがない」と思っている人が多い。
とんでもない買いかぶりだ。金融機関でもいちばん効率よく儲かるしごとには、ロケット工学も微分方程式もまったく関係ない。もちろん、そういう効率よく儲かる部署にたどり着くまでの社内の出世競争では、ある程度の「知的」能力は必要とな。だが、それは抜け目なさとか、こすっからさとか、他人の弱みをかぎつける嗅覚といったたぐいの能力で、あんまり大学や大学院で教えてくれるタイプの知的能力ではない。