増田悦佐さんより~「資源戦争は起こらない」シリーズその7 |
UPDATE 2016.07.26 |
買えない資源を奪い取る戦争ができるはずのない中国
7月12日、オランダのハーグで、南シナ海の中国の排他的経済水域(EEZ、Exclusive Economic Zone)をめぐって仲裁裁判所にフィリピンが提訴していた事件に関する判決が下された。もともと中国はフィリピンに対して「この問題を仲裁裁判所にゆだねる気はない」と宣言し、いっさい関与していなかった。この事実も大いに影響して、フィリピンの主張がほぼ全面的に認められた判決となっている。中国が主張してきた「九段線」にもとづく歴史的な権利の存在も、中国が建設してきた人工島の「島」としての存在も否定し、「中国はサンゴ礁を埋め立てることによって取り返しのつかない環境破壊を行った」と非難する判決だった。