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増田悦佐さんより〜「『宗主国なき植民地経済』2大国、米中のたそがれ」シリーズその2
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UPDATE 2015.10.18
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米中で最悪の共通点は、貧富の格差拡大
前回の末尾でご紹介しておいた下田淳著『ヨーロッパ文明の正体——何が資本主義を駆動させたか』(2013年、筑摩選書)は、なんとも不思議な本だ。なぜ現代人であれば世界中どこに住んでいようと「縛られている資本主義……というシステムが、フランス革命に代表される封建制・身分制の廃棄と『産業革命』といわれる工業化の後にヨーロッパに現出」(14ページ)したのかという壮大な問題を提起した直後に、「私は、ヨーロッパ中心史観は嫌いだけれども、もう一度ヨーロッパ(あえて地理的に言えば西ヨーロッパ)の歴史と真剣に向かい合わねばならない」(同ページ)と書き起こしている。