増田悦佐さんより〜「国家がヘッジファンドと化した世界」シリーズその8 |
UPDATE 2015.04.26 |
資本の自己増殖意志が勝つか、市場の自己調整能力が勝つか
第二次世界大戦の終結した1945年から第2次オイルショックが勃発した1979年までは、いまだにジョン・F・ケネディ=リンドン・ジョンソン両大統領の率いる「明るい」民主党政権のもと、経済成長も順調に進んだ良い時代というイメージが支配的だ。だが、実際にはこの時期のGDP成長率は年率平均で約3.2パーセントと、19世紀半ばまでの農業時代の4.3%や、大デフレ時代でもあった工業化初期の時代(1870〜90年代)の4.5%よりはるかに低い水準だった。ただ、この時期にはまだ「金融市場は、政府による間断なき介入によって操作していなければいけない」という発想は、アメリカの官民のあいだに定着していなかった。