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増田悦佐さんより〜「経済メディアは信用できるか」シリーズその33(前半)
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UPDATE 2012.08.10
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帝国の論理と覇権の論理(前半)
彼らは帝国の美名のもとに破壊し、虐殺し、強奪する。また、人もけものも住めず、草木も生えないような砂漠状態にしておきながら、それを平和と呼ぶ。
——古代ローマの歴史家タキトゥスの主著『アグリコーラ』より(英訳版より重訳)
アメリカの経済論壇は、あい変らずたったひとつの謎の前に立ちすくんでいる。アメリカ経済全体としての景気はどうしようもなく悪いのに、企業利益ばかりが拡大しているという事実をきちんと説明できないからだ。企業利益率が、ほぼ確実に狂乱の1920年代末以来、ひょっとするとアメリカ建国以来の異常な高水準にあることは、下のグラフでご確認いただけるだろう。