増田悦佐さんより〜「クルマ社会七つの大罪」 シリーズその8
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UPDATE 2010.03.26
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終章 「クルマ社会」死後の世界で、日本はどうなる?
今、東アジアや東南アジアを中心に、1世代前なら自家用車を持つことなど「夢のまた夢」という境遇だった膨大な人数の人たちが、クルマを持てる生活水準に達しつつある。たとえば、中国という国は約3億人の都市戸籍を持った人間が、残る10億人あまりの農村戸籍を持つ人間を搾取し、収奪することで「繁栄」している国だが、この3億人がほぼ全員自家用車の持てる生活水準に達しつつあるというのは、すさまじいインパクトのある事実だ。19世紀後半のアメリカの高度成長期や、20世紀半ばの日本の高度成長期に比べると、約3倍の人口が一挙に経済的離陸を遂げようとしているからだ。