増田悦佐さんより〜「クルマ社会七つの大罪」 シリーズその5
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UPDATE 2010.03.05
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味覚の鈍化——そして、肥満が国民病として蔓延する
国民全体が健康で長寿を保つ権利というのは、先進国と呼ばれる国々の中ではだいたいどの国を見ても、近代的な国民国家が確立した基本的人権のひとつとされている。だが、クルマ社会化は、確実にこの基本的人権を侵害している。クルマ社会化すると、国民の味覚が鈍化し、同時に日常生活で歩くことが少ないので運動不足にもなり、肥満が国民病として蔓延するからだ。非常に大勢の国民の基本的人権を侵しているという意味では、肥満はクルマ社会がもたらした七つの大罪の中で、いちばん深刻な罪かもしれない。