増田悦佐さんより〜「クルマ社会七つの大罪」 シリーズその1 |
UPDATE 2010.02.05 |
エネルギーとスペースの浪費——そして物流システムが非効率になる
クルマ社会とは、たんに社会全体でもっとも広く使われている乗りものが自動車になった社会というだけのことではない。自動車を持っている世帯と持っていない世帯では通勤・通学、日常の買いもの、余暇の利用などについてすさまじい利便性格差があることを平然と受け入れる社会のことだ。そして、国民の大半を占める所得や資産で中層から下層の中あたりまでの、一応クルマを維持できる人々のあいだに「自分が自分の主人公でいられるのは、クルマを運転しているときくらいだ。だから、とくにどこに行くあてがあるわけでもないが、クルマに乗っている時間を長くしたい」という気分が蔓延している社会でもある。