原文:Bob Hoye, Institutional Advisors
翻訳:増田 悦佐
時代を象徴するコメント:
去年の今ごろは:
「十代の小売業者たちが、逼迫しはじめている」
——2008年8月8日付ウォールストリート・ジャーナル
「ヨーロッパのラグジャリー・カーのメーカーが、苦痛を感じている」
——2008年8月8日付ウォールストリート・ジャーナル
「住宅ローン市場の窮迫が、大きな労働組合にも及びはじめた」
「民間金融機関の貸付絞りこみで、学生向けの奨学金も圧縮されるだろう」
——2008年8月11日付ウォールストリート・ジャーナル
今になってみると、明らかに秋の古典的大暴落には予兆があったわけだ。
そして、今年の今ごろになってみると:
「過去21年間にわたって上昇しつづけた農地の価格には、いまや1930年代大不況のとき以来の大暴落を逃れるすべはない」
——2009年8月5日付ブルームバーグ通信
不思議なことに、1930年代の農地価格大暴落は、1873〜95年の大不況のとき以来、最悪の暴落だった。
「2月までは、投資銀行業務自体が生き残れるかどうか、だれひとり確信は持てない状態だった。過去5か月間で世の中に様変わりの変化があって、今では銀行はどんどん人を雇っている」
——2009年8月11日付アメリカ証券業金融市場協会のコメント
「ニューヨーク連銀は、大盤振る舞いで雇用を増やしている」
「ニューヨーク連銀は増えつづける証券などの金融資産を管理するため、短期売買のトレーダーたちを大量に雇っている」
——2009年8月11日付フィナンシャル・タイムズのネット版、FT.comの報道
中央計画の大好きな連中なら、金融資産をガバガバ買い始める前にトレーダーを雇っておくはずだろうに。資産管理がどうにもならなくなったので、パニック状態で突然大量雇用に踏み切ったのかもしれない。