時代の転換点を読む 2012年11月8日号 |
UPDATE 2012.11.09 |
著者:ボブ・ホイ
官僚制独裁政治
時代を象徴するコメント:
「偉大な文明は、内側から破壊されないかぎり、絶対に外敵によって征服されることはない。古代ローマの没落が良い例だ。没落の種は、ローマ人たち自身に、ローマ人の倫理観に、ローマ人のくり広げた階級闘争に、貿易活動の失敗に、官僚制独裁政治に、窒息しそうに重い税金に、そしてあらゆるものを浪費する戦争に蒔かれていた」
——1944年に刊行されたウィル・デュラント『文明の歴史 第3巻 信仰の時代』「エピローグ」より
今までに何人もの著者が、このくだりを文字どおりの引用として紹介してきた。実際には、これは逐語的な引用ではなく、第3巻のエピローグとして書かれた「なぜローマは没落したのか」のいくつかの箇所からの文章を抜粋したものだ。出版された1944年当時も有益な教訓を教えていたが、今もなおその教訓は有効だ。我々が「アメリカ」というとき思い浮かべる理念は永遠に滅びることはない。だが、中でも特筆すべきは、アメリカ人たちは「官僚制独裁政治」と付き合っていくことにかけて、非常にうまくやってきたということだ。今回もまた、この難物との付き合いで成功するだろう。官僚制独裁政治に関する新たな実験を破綻させた後には、弱いものいじめの政治を改革する新鮮な息吹がよみがえるだろう。