チャートワークス 2011年3月14日号 ウラニウム |
UPDATE 2011.03.15 |
インスティテューショナル・アドバイザーズ
ロス・クラークによるテクニカル分析
市場の外で起きた大事件と、その市場への影響
日本で原子力発電施設が危機に瀕しているとの報道を受けて、月曜日(14日)のウラニウム関連株の値動きは急激だった。メキシコ湾でのBPの海底油田施設事故や、世界有数の高品質ウラニウム鉱山が完全に水没したカナダ・サスカチュワン州のシガー・レイクで起きた洪水や、阪神淡路大震災やジョン・F・ケネディ(JFK)大統領の暗殺事件が示すように、特定銘柄に関するものであれ、特定産業に関するものであれ、経済全体に関連するものであれ、金融市場の外で起きた大事件は、投資家を一斉に資金保全に走らせ、関連分野株の投げ売りを惹き起こす傾向がある。
〔サスカチュワン州最大の都市サスカチューン近郊に位置するシガー・レイク地区は、当時すでに採掘中だったマッカーサー・リバーのウラニウム鉱山に匹敵する高品質のウラニウム鉱山として、採掘権を持つウラニウム鉱山大手キャメコ社による2007年からの採掘作業開始が期待されていた。ところが、鉱山のすぐそばにあるシガー・レイクの洪水によって鉱山自体が完全に水没してしまった。当初は事態の深刻さはあまり明確に把握されていなかったが、採掘作業を開始できるまでにかなり長い時間を要することが徐々に分かってきた。実際にこの鉱山から水が除去されて、鉱山施設が稼働可能であることが確認されたのは2010年に入ってからだった。——訳者注〕
「とにかく、一刻も早く売っておけ。質問は後ですればいい」というわけだ。事件そのものがどの程度の深刻さなのか、どの程度明確に被害分野を特定できるのか、どの程度影響が長期にわたる事件なのかといった要因によって、投げ売りはJFK暗殺事件のように1日で終わることもあれば、何か月も尾を引くこともある。
テクニカル分析から見ると、こうした投げ売りが底を打つまでには、日次か週次で下方屈曲点(ダウンサイド・キャピチュレーション)サインの点灯を要するというケースが多い。阪神淡路大震災の場合には、日経平均の下落と円に対する米ドルの下落が下方屈曲点サインの点灯と底打ちにいたるまでには2ヵ月を要した。
今日(3月14日)のウラニウム鉱山株が軒並み15〜28%下げたことについては、当然短期的なリバウンドがあるだろう。だが、そのリバウンドのあとにさらなる売り波動が続くことも、ほぼまちがいのないところだ。その中で、かなり長期にわたって、中小ウラニウム鉱山株や探鉱株のほうが、大手より値下がり率が高くなるだろう。もし下方屈曲点サインが点灯したら、即刻アップデートのレポートをお届けする予定だ。
以下9枚のチャートは、いずれも2010年9月から直近のウラニウム関連株の値動きを示す。
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金融市場外の突発的な大事件が市場に及ぼした影響
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