時代の転換点を読む 2010年8月26日号 |
UPDATE 2010.08.27 |
原作:ボブ・ホイ
翻訳:増田 悦佐
時代を象徴するコメント:
去年の今ごろは:
「バーナンキ氏の再任を決定するに当たって、オバマ大統領はバーナンキ氏が連邦準備制度理事会議長として最初の任期で『突拍子もない大胆な政策で大不況の再来を防いだ』と褒めたたえた」
——2009年8月25日付ニューヨーク・タイムズ
バーナンキがひと悶着あってから再任された騒動については、我々は「勇敢に負け戦さに立ち向かったことへのごほうび」だと軽口を叩いた。それにしても、言うに事欠いて「突拍子もない大胆な政策」と表現したのはお粗末だ。「信用が収縮しはじめたら、もっとたくさん信用をぶちこんでやれば回復する」というのは、遠い昔、1618〜23年の失業激増期から何度となくくり返されてきたが、一度として成功しなかった政策だからだ。我々は、この政策こそその後のあらゆる金融バブルとその崩壊のご先祖様だったと見ている。当時はまだ公開の株式市場は存在していなかったが、そのころから政府の経済政策に関する思惑にもとづく投機は盛んだった。当時なら、「信用の収縮にはもっと多くの信用をぶちこめばいい」という発想も「突拍子もない大胆な政策」と言えただろうが。