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UPDATE 2010.03.19 |
インスティテューショナル・アドバイザーズ
原作:ボブ・ホイ
翻訳:増田 悦佐
時代を象徴するコメント:
遠い昔のその昔
「王侯にとって、自分たちの都合にもっともうまく適合するように貨幣の鋳造と流通を命ずることほど、彼らの身分にふさわしい行動はない」
——1604年11月16日のイギリス国王ジェームズ一世の勅令
ジェームズ一世は、聡明なる知的能力で知られていた。『王権神授説』という論文を書いたが、この論文の内容と本人の浪費癖があいまって議会と正面衝突してしまい、議会はジェームズ王への予算の拠出を否決した。1604年に発布された勅令は、過酷な徴税とともに、貨幣価値を毀損することは王侯にとって必要不可欠の政策だと宣言している。
最近発表された連邦準備制度(Fed)の「柔軟な」通貨という発想も、王室から発布された勅令と似たようなものかもしれない。現代の大衆と金融市場は、『王権神授説』による被害ではなく、『中央銀行の通貨発行権神授説』の被害をこうむっているという違いはあるが。どちらもむき出しの重税という手段だけでは好き勝手に使いまくるカネに事欠く権力者が、自分たちには貨幣価値を毀損する権利があると言い張っているだけなのだ。