今年の1月13日号の時代の転換点を反芻しよう。ローマ帝国の昔から何度も信用収縮は起きてきた。現在進行中の信用収縮。ローマの政治家キケロの、フェニキアの港町ティーレの金融危機がローマに及ぶ観察は現在でも正しい。ギリシャの危機が欧州に広がり、やがてアメリカ大陸に伝播する。そして此れは世界中に広がる。その信用の三次元の物語を、1月13日号で確認できる。実に2000年前から起きてきた信用収縮の物語。それが今、世界中に起きているのだ。
さて一次元の信用収縮は、ありとあらゆる格付けの信用を毀損する。つまり国家の提供する福祉に頼る借り手、信用度ゼロの貧困層の借り手から、最高格付けの国家自体に至るまで痛めつける。二次元の其れは時間軸と成る。投機が発生する時は短期金利と長期金利が逆転する。通常期では起きない長短金利の逆転が起き、其れが逆から順イールドに戻る時に、投機は破綻する。
その時、中央銀行は、必ず、介入により短期金利を操作する。其れがこの数年行われてきた政府、中央銀行の仕事であった。が、短期金利は短期間操作できるが、長期債、長期金利は介入で動かない。今起きている、イタリア、ギリシャの10年債の金利上昇がこの証明である。三次元とは、金利差を使う金儲け、高格付けと低格付けの金利差を稼ぐ所謂、アービットラージの自信過剰である。
米国で起きたMFグローバル事件はイタリア、ギリシャ債への鞘稼ぎだった。米国債の低金利で借りた資金で、長期債、イタリア10年債等の金利差の大きい債券投資への失敗である。これから出てくる多くの事件も、低格付け債、州債やジャンク債投資の失敗の話だ。そしてこの三次元物語は世界に広がる。地球上の総ての国、交易国に広がり、収縮する。
やがて収縮した世界は臆病になり、金に頼る。信用収縮の歴史を学者氏は知らない。この収縮の時間と、タイミングは上記の三次元の週次、月次の動きで研究され、日次の動きでは様々なパターンまで過去の歴史の中から検証している。時代はこの信用収縮によりバブルの国すら淘汰し、新しい人々が信用を回復させて来た。さて現在の収縮、いつまで継続し、株は何処まで落ちるのか。
過去の経験と研究は、ボブの時代の転換点を読むや、ロスのチャートワークスで透視出来る。未熟な投資家、その、凍死の物語が残酷だが信用収縮期に見ることが出来る。国も凍死する時代が来た。1月13日の時代の転換点を見る、を、今一度反芻し、来年の展望を考えたい。XAU、NYダウの1920年代からチャートを俯瞰すれば時代の進行方向が見えると思うのだが? |