時代の転換点を読む 2009年5月21日号 |
UPDATE 2009.05.25 |
翻訳 増田 悦佐
時代を象徴するコメント:
去年の今ごろ:
去年も5月には、楽観論がもてはやされていた。
「金融危機はもう終わったのか?」
これが、2008年5月15日にシンガポールで開催された国際投資シンポジウムでのイェスパー・コールのプレゼンテーションのタイトルだった。イェスパー・コールは外資系証券会社で日本担当のエコノミストを務めたのち、日本にあるタンタロン・リサーチという企業の代表をやっていた。彼は、去年の金融危機に際しての連邦準備制度(FED)のお手並みについて、こんなふうに大げさに称賛していた。
「アメリカの政策当局は、もしノーベル賞に応用経済学部門があったら当然受賞していただろう。金融資産デフレに対する政策対応は、非常に迅速だったばかりではなく、さまざまな部門間の調整も非常に良かった。(したがって)資産デフレの二次効果は未然に食い止めることができた」