増田悦佐さんより〜世界経済覇権は、内省の時代、自信喪失の時代に転がりこんでくる |
UPDATE 2009.02.06 |
アメリカのファンドマネジャー、J・D・デヴィッドソンとイギリスの歴史家、W・リーズ・モッグが、「深刻な世界恐慌のたびに国際経済における覇権国が交代し、しかも恐慌が過ぎ去った時代に覇権国に成り上がっている国は恐慌でいちばん苦しんだ国だ」という法則性を、『世界経済が破綻する時』という本で提唱した。たしかに、1630年代にチューリップバブルの崩壊で辛酸を舐めたオランダが、その後世界経済の派遣を握り、1720年代に南海の泡沫と呼ばれた新規公開株がらみのスキャンダルによる金融市場の崩壊でさんざん苦しんだイギリスに覇権が移り、1929年の大恐慌に始まる30年代大不況ですさまじい国民経済の収縮に見舞われたアメリカが、その次の覇権国となっている。