増田悦佐さんより〜「クルマ社会七つの大罪」 シリーズその7
|
|
UPDATE 2010.03.19
|
統制経済への大衆動員——そして、人はデフレを忌み嫌いインフレを待望するようになる
クルマ社会化が国民経済に及ぼすさまざまな悪影響の中でも、勤労者の暮らしに関する被害の大きさという点で「統制経済化の促進」は罪が重い。ただ、統制経済化は自動車産業が独力でできることではなく、専制君主のようにふるまう政治指導者の存在も不可欠だった。つまり、自動車産業が本来的に持っているガリバー型寡占傾向と、強力な統率力を振るう政権の合作で自由競争にもとづく市場経済が、価格統制や生産調整の横行する世界に変えられてしまったわけだ。